タロティスト「夢野 雫(ユメノ シズク)」のブログ

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「正義」のカードに描かれた人物の右足

「正義」は古来より「四元徳」の一つとされてきました。

 

「四元徳(しげんとく)」とは「枢要徳(枢要徳)」「四徳」とも呼ばれ、古代ギリシャでプラトンが彼の著書「国家」の中で書いているように「個人にも国家にも共通して持たれるべき徳目」を指します。

 

四つの徳とは、「勇気」「節制」「正義」「思慮/知恵」です。タロットにはこれらの徳に対応するカードがあります。「勇気」は「力」のカードで、「節制」と「正義」がその呼称の通りの「節制」と「正義」のカードが存在します。唯一、「思慮/知恵」に直接的に対応する大アルカナは存在していません。

 

「正義」のカードは「11」という番号が振られていますが、ちょうど大アルカナの中間点に位置するカードと言えます。この人物が左手に持つ天秤は、人生の「中間点」において人生を整理して秩序を持たせること、天秤の二つの秤に乗せられた対立したものを統合することをアドバイスするものです。

 

「11」という数字は「魔術師」が持つ「1」が二つ重なる数字であり、1+1=2の通り「女教皇」の持つ「2」に繋がる数字でもあります。実際、このカードの人物の右手を上げ左手を下げている姿は「魔術師」のポーズと重なるものであり、カーテンを背にして2本の柱の間に鎮座する姿は「女教皇」の構図と酷似しています。

 

「正義」のカードの中の人物の右足を見れば、この人物が「まさに立ち上がろう」としていることが見て取れます。このカードは、「立ち上がる」ことが、あなたの人生を公平な視点で捉えなおし、そうすることによってあなたを過去から解放すると説いています。家族、学校、社会などから受けた影響、幼少期より刷り込まれたモラルや価値観(人生観)、少しずつ蓄積した恐怖、不安、怒り、罪悪感をあなたが手放すことができるというメッセージを内包したカードなのです。

 

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